こちらは、1973年にイスラエルで発行された建国25周年記念100リロット金貨です。NGCにてPF68 ULTRA CAMEOという非常に高いグレードの鑑定を獲得しており、プルーフ仕上げ特有の鏡面と図案のコントラストが明瞭に残る個体です。
国章メノーラと、建国25周年の銘文
表面には、イスラエルの国章である七枝の燭台「メノーラ」が中央に配置されています。メノーラは、古代エルサレム神殿で用いられたとされるユダヤ教の重要な象徴です。イスラエル建国後の1949年には、ティトゥス凱旋門に刻まれたメノーラ像を基礎とするデザインが、イスラエル国章として正式に採用されました。
周囲には額面の「100リロット」、発行年「5733-1973」、建国25周年を示す銘文が、ヘブライ語、アラビア語、英語で刻まれています。
裏面には、1948年5月14日にテルアビブで読み上げられたイスラエル独立宣言書の一部と、ダヴィド・ベン=グリオンを筆頭とする建国の父たちの署名が描かれています。下部には、「ここに我々は、イスラエル国として知られるユダヤ国家の樹立を宣言する」という独立宣言の一節がヘブライ語で刻まれています。
第四次中東戦争と重なった発行年
この金貨が発行された1973年は、第四次中東戦争、いわゆるヨム・キプール戦争が勃発した年でもあります。建国25周年を記念し、独立宣言という国家の原点を図案化した金貨が、イスラエルにとって再び大きな危機となった年に発行されたという、歴史的にも印象深い一枚です。
建国四半世紀の節目を記録するとともに、イスラエルという国家の成立理念を象徴的に表現した記念金貨といえるでしょう。
※歴史的背景に関する記述は、参考文献に基づく一般的な見方を紹介するものです。






