ベルリン帝国議会議事堂の完成を記念した銀メダル
本品は1894年、ベルリンに完成した帝国議会議事堂(Reichstagsgebäude)を記念して制作された銀メダルです。
現在ではドイツ連邦議会議事堂として知られる建物で、設計を手掛けたのは建築家パウル・ヴァロット。1884年に着工し、10年後の1894年に完成しました。
このメダルは、その歴史的な建築物の完成そのものを記録した一枚です。
「1884年着工・1894年完成」
建物を描いた面には、
DAS REICHSTAGSGEBÄUDE ZU BERLIN
「ベルリンの帝国議会議事堂」と刻まれています。
さらに下部には、
BEGONNEN 1884
VOLLENDET 1894
の文字。「1884年着工・1894年完成」を意味し、10年間にわたった建設の歴史がそのまま銀メダルに刻まれています。
単なる建築メダルではなく、ドイツ帝国の政治を象徴する建物の完成記録として見ることができます。
帝国鷲とドイツ諸邦の紋章
反対面の中心には、王冠を戴くドイツ帝国の鷲を配した盾。その周囲には、ドイツ帝国を構成した諸邦の紋章が環状に並びます。
当時のドイツ帝国は、プロイセンを中心に多数の王国・公国・自由都市などで構成された連邦国家でした。そのため、この面は単なる装飾ではなく、「複数の邦国によって成立したドイツ帝国」そのものを視覚化したデザインともいえます。
エッジにも残る「記念」の文字
PCGSラベルには、
Edge EINE GEDENKMÜNZE
と記載されています。「EINE GEDENKMÜNZE」は、記念貨・記念メダルという意味。
表裏だけでなくエッジまで含めて、議事堂完成の記念品として制作されたことが分かります。
PCGS SP62
本品はPCGS SP62。通常の流通貨ではなく、記念目的で制作されたメダルのため、PCGSではSP(Specimen)として評価されています。
建物正面の細かな意匠、帝国鷲、周囲の紋章なども確認しやすく、デザインをしっかり楽しめる個体です。
1894年という年
帝国議会議事堂の礎石は1884年にヴィルヘルム1世によって置かれ、1894年12月にはヴィルヘルム2世が最後の石を据えました。その翌日、新しい議事堂で最初の議会が開かれています。
つまり本品は、建物が完成し、実際に帝国議会の舞台として動き始めたその年に制作された記念メダルです。
TLCコメント
これ、歴史好きにはかなり面白いです。今もベルリンに残るあのライヒスタークが完成した、その年の記念メダル。
しかも、
1884年着工
1894年完成
と、建設の10年間までそのまま刻まれています。
さらに反対面には帝国鷲と各邦国の紋章。建築史、政治史、ドイツ帝国の連邦構造。その全部が一枚の銀メダルにつながっています。
単なる建物記念メダルではなく、19世紀ドイツ帝国の姿をそのまま残した歴史資料としても楽しめる一枚です。
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