バイエルンを象徴する「マドンナ・ターラー」
本品は1786年、神聖ローマ帝国のバイエルン選帝侯領で発行された1ターラー銀貨です。当時の選帝侯はカール・テオドール。
表面には選帝侯の肖像、裏面にはバイエルンの守護聖母が描かれた、いわゆるマドンナ・ターラーです。
表面にはカール・テオドール
表面には、カール・テオドールの右向き肖像。衣装や髪の流れまで細かく刻まれた、18世紀の大型銀貨らしい堂々としたデザインです。
肖像下には、
I.SCH
の署名が確認できます。本品はこのI.SCHタイプにあたり、Numistaでは彫刻師 Joseph Ignaz Schäufel von Ahamstein の署名として記録されています。
裏面は「PATRONA BAVARIAE」
裏面には、三日月と雲の上に座る聖母マリアと幼子イエス。周囲には、
PATRONA BAVARIAE
と刻まれています。意味は、「バイエルンの守護者」。
聖母マリアをバイエルンの守護聖母として表したことから、このタイプは一般にマドンナ・ターラーと呼ばれています。光背に包まれた聖母子像は非常に存在感があり、このコイン最大の見どころのひとつです。
エッジには「CONFIDO IN DOMINO」
エッジには、
CONFIDO IN DOMINO
の銘文。意味は、「私は主を信頼する」。
表面には君主、裏面には聖母子、さらにエッジには信仰を示す言葉。貨幣全体に、当時のバイエルンにおける君主権とカトリック信仰が表現されています。
約28g・42mmの大型銀貨
本品は銀品位.833。重量は約28.06g、直径は約42mm。現代の一般的な硬貨よりかなり大きく、ターラーらしいしっかりとした重量感があります。
大型銀貨だからこそ、肖像や聖母子像の細かな彫刻も見応えがあります。
NGC MS62
本品はNGC MS62。約240年前の銀貨として、流通摩耗をほぼ感じさせない未使用級の状態です。
外部オークション記録では、同型MS62についてNGCで「second finest graded」とされた個体も確認されており、高グレード帯に位置する一枚です。ただし、現時点では単独最高鑑定とはせず、NGC MS62としてご案内します。
TLCコメント
これ、かなり完成度の高いマドンナ・ターラーです。カール・テオドール、I.SCHタイプ、PATRONA BAVARIAE、大型銀貨、NGC MS62という要素がしっかり揃っています。
特に裏面の聖母子像は、バイエルン銀貨らしさがかなり強い。単に古いターラーというより、18世紀バイエルンの王権・信仰・美術が全部詰まった一枚として楽しめます。
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