1711年、宗教都市ザルツブルクで発行された1ターラー
本品は1711年、ザルツブルク大司教領で発行された1ターラー銀貨です。当時の大司教は、フランツ・アントン・フォン・ハラッハ。
ザルツブルクは神聖ローマ帝国の中でも、宗教と政治の両方を担う大司教領として独自の地位を持っていました。そのため本貨にも、王や皇帝の肖像ではなく、ザルツブルクを象徴する聖人と宗教的モチーフが大きく描かれています。
表面はザルツブルクの守護聖人・聖ルーペルト
表面に描かれているのは、聖ルーペルト。ザルツブルクの守護聖人として知られる人物で、司教杖と塩の容器を持つ姿で表現されています。下部にはザルツブルクの紋章。
ザルツブルクは古くから塩によって栄えた地域で、「Salzburg」という地名自体も「塩の城」を意味します。つまり聖ルーペルトと塩の容器は、ザルツブルクという都市の歴史そのものを象徴する意匠です。
裏面には聖母マリアと幼子イエス
裏面には、聖母マリアと幼子イエス。その下には、当時の大司教であるハラッハ家の紋章が配されています。
守護聖人と聖母子。宗教都市ザルツブルクらしいモチーフが、表裏で構成されています。単に古い銀貨というだけではなく、当時の信仰と都市のアイデンティティがそのまま刻まれた一枚です。
約29.3g・約40mmの大型銀貨
本品は重量約29.3g、直径約40mm。現代の一般的な硬貨と比べてもかなり大きく、手に取るとしっかりとした重量感があります。
18世紀ヨーロッパのターラーらしい、大型銀貨ならではの存在感を楽しめます。
PCGS MS61――単独最高鑑定
本品はPCGS MS61。PCGS Populationでは、現時点で同タイプの鑑定個体は2枚。そのうち、
MS61:1枚
上位グレード:0枚
となっており、本品はPCGS単独最高鑑定(Top Pop)です。
約300年前の大型銀貨として高い保存状態に加え、PCGSでの鑑定希少性も大きなポイントです。
TLCコメント
これ、かなりザルツブルクらしいターラーです。表は聖ルーペルト。裏は聖母子。しかも聖ルーペルトが持つのは、この都市の繁栄を支えた塩。
つまり一枚の中に、宗教、都市、産業、歴史が全部入っています。
さらにPCGS MS61で単独最高鑑定。18世紀ザルツブルクという都市の空気まで感じられる、大型銀貨としてかなり面白い一枚です。
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